息子小4:中受振返り
2025年3月、息子が小3の終わりから、早稲田アカデミーに通うことになった。
今日はこの約1年の振返りをしたいと思う。
まず塾に入る前に、今まで学校のカラーテストは満点ばかりだったものが、
算数のテストで少し点数を落とすことが時々あった。
詳しく見てみると、もしかすると学校でやっている内容の理解が少し浅いのかも?と思ったこともあった。
ただそれとは関係なく、3月に一旦自宅の駅の近くの塾を2,3見学した結果、
早稲田アカデミーに入塾することに。
理由は家から近かったから、という理由のみ。
そこですぐ入塾テストなるものを受けるが、衝撃の算数偏差値20。
今までの学校のテストで100点を連発していたのを見ていたので、少なからずショックを受ける。そのまま入塾。
その後から数か月が一番大変だった。
多分、数値的な感覚を、息子はあまりやってこなかったし、
私も会話したりやらせてこなかったこともあって、最初は大苦戦。
単純に見える計算問題も、いくつかの文章で構成された文章題も、
結構簡単なところでつまづいてしまう。
もともと息子は賢いだろう、と思っていた私からすると、当初は本当に想定外だった。
そのため、ここから放課後にがっつり伴走をすることになるのだけれど、
昨日いったことをすっかり忘れてたり、
単純な計算ができなかったりと、私のストレスがかなりたまっていくことに。
その結果、息子に怒ってしまったりして、息子も泣き出すという完全な負のスパイラル。
怒ってしまった後に必ず、自己嫌悪で私が落ち込むという日々だった。
息子が寝てから、その横でいろいろ想定外だったこともあり、私自身が涙することもあった。
でもどんなに勉強ができなくても、私は息子が大好きなんだという当たり前のことも、
この時に身に沁みて感じることができた。
また、そこで気づいた事は、息子はこの時からこつこつやり続ける力、
また途中で投げ出さない、勉強体力があった。
そんなこんなで6月の組分けテスト。できた!と自信満々で返って来たものの、
自己採点では想定より点数が低く、
夜寝るときに、「ママやパパにたくさんしてもらってるのに、僕は何もお返しできてない」と突然言い出した。
多分これは、自分が思うように成績がのびず、ママもイライラしてるし、
不安でたまらない、どうしたらいいのかという気持ちだったんだと思う。
こんな気持ちにさせてしまったことは本当に親としてとてもいけてないと思ったので、その後は今まで以上に息子が大切で宝物であること、
成績がどうであろうが全くそこはゆるがないことを全力で伝えることにした。
という最初の数か月が今思うと、本人もしんどかったのではないかと思う。
私自身もずっと葛藤した数か月だった。
一方息子の成績は、最初は算数偏差値20というびっくり成績をたたき出したものの、
その後は順調に伸び、今は4教科合計で60前後を推移している。
多分成績が伸びたことで、本人もそれに対する楽しみも感じ、
また塾の授業自体(特に社会)も楽しいらしい。
また、算数の解けた!という瞬間も楽しいらしく、
勉強自体いやがらずにやっている。
ということで、この1年を振り返ると、塾に入れて良かった、と思う。
理由は以下のみっつ。
・多分あのまま塾に入れずに学校オンリーでいっていたら、算数でよりつまづきが大きくなっていた
・早稲アカの膨大な宿題をこなしながら、勉強習慣がついた
・できなかった問題を再度解き直しする、反復することで、勉強本来のやり方が身につきつつある
私自身も、立ち上がりはイライラ→怒る→息子悲しむ→自己嫌悪、というスパイラルで葛藤しつつもがきつつの毎日だったが、
「イライラしても一ミリもいいことがない」というフレーズをかみしめながら、
私自身も今までになかったチャレンジをすることができたんじゃないかと思う。
来月から新5年生のカリキュラムがスタートする。
新5年はかなりのボリュームで一番重要な年らしい。
どこまで彼が喰らいついて行けるのか、親としてできることを全力で応援しよう。
感情的になったり、よくある「私の受験」になったりすることがないよう意識しつつ。
私にとっても新しいチャレンジ。
がんばろうー!
化学的根拠で子育てを読んで
以前学力の経済学を読んで、著者の中室牧子さんのファンになり、
今回も購入して読んでみた。
参考になったところを書き出す。
この本はタイトルにあるように、よく言われていることが本当にそうなのかを、
エビデンスに基づいて、それらが事実かどうかを説明する内容になっている。
具体的におもしろかったのは、
・偏差値の高い高校への進学が入学後の学力を高める効果はほとんどない。
というエビデンス。この調査は、「同じ大学に受かった人たち(そもそも同じような学力がある人達)」が行く大学によって将来の年収が異なるのか、という調査。
なので、そもそも持っている学力は同等で、学歴がどれだけ年収に影響を与えるかというもの。
確かに持っている力がそもそも同じなのであれば、そこは関係がないというのも頷ける。
また、
・非認知能力(忍耐力、自制心、やり抜く力)は、学力よりも卒業後の給与に与える影響が大きい
という点もおもしろかった。
その中で、「やり抜く力」は「成長マインドセット」、すなわち「努力することで自分の能力を向上させることができると信じること」を持つことにつながる、とのこと。
あわせて、
・コミュニケーション力(社会性、利他性)も高いと、健康で幸福感が高く、収入も高いというデータがあるそう。
それに加え、本書では
・リーダーの経験が年収に相関があるとも言っている。
以上のことを踏まえると、学力だけではなく、当たり前だがそれ以外の要素も非常に大きなインパクトがあるということ。
私自身も振り返っても、本当にコミュニケーションに課題があったので、
今思い返すと反省することばかりが思い浮かぶ。
人と協働する力、コツコツやり続ける力、は非常に大事なものだと再認識。
でも忍耐力、自制心、やり抜く力の非認知能力に限って言うと、これは勉強を通してでも磨いていく力なのではないかと思う。ということは、勉強を通して非認知能力も伸ばしていくことができるのではないかと思った。
他、ある調査では「社会経済的地位」というのを、家にある本の冊数でレベル分けしているのも結構びっくり。
あと、子どもが11‐15歳になるころには、子ども自身の時間投資が、認知能力に与える効果は、親の時間投資の時間を上回っているらしい。つまり、子どもの年齢が上がれば上がるほど、親の時間投資の効果は小さくなり、子ども自身の時間投資が重要になってくるとのこと。
これについては、今息子が9歳なので、私が伴走できるのは小学校卒業までくらいなんだと気づいた。まぁ確かに中学生になって親に勉強伴走される子もいないだろうし、されてたらちょっとどうかと思うので当たり前のことなのかもしれない。
でも、残された2,3年の少ない時間を、一緒に楽しく伴走することで息子の役に立てたらいいなぁ。
他にも、第一志望の1位にビリで入学するのと、第二志望の1位で入学するのはどちらが良いかと言うことに対しては、後者の方が良いと言い切っているのもすごく納得だった。
具体的には、もともと学力が上位20%の学生は伸びるものの、下位20%の生徒はむしろ学力が下がってしまうというもの。すごいよく分かる。
また、下位20%に入ってしまった場合の回避策として、相対的な順位や偏差値を見るのではなく、前回と比べてどれだけ伸びたかを伝えることが必要とのこと。
このエビデンスについては自身の経験からすごく納得感があった。というのも私が行っていた中学は周りは本当に勉強しない子たちばかりだったので、その中での成績はトップクラスだったものの、その後そのエリアの一番偏差値の高い高校に入学したところ、下位も下位グループに入ってしまった。
そこで生まれて初めて「井の中の蛙」状態を経験したのではないかと思う。
多分息子にも同じことが言えて、すごい無理して少しでも高い学校に入るより、自分に自信が持てる、自分の身の丈にあって、かつ自分が行きたいと思える学校に行くのがすごく大事なことなんだなと感じた。
また、共学か男子校/女子校かという点においては、男子校は共学より学力の伸びが高いらしい。
ということで買って良かった本だった。
SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法
前回のSAPIXの本とあわせて並んでいたこの本も買って読んでみた。
ポイントになりそうなところを残しておく。
・思考する力を伸ばすためにすることの例
現在の中学受験は、以前のように知識をとにかく詰め込むといった形では太刀打ちできなくて、自分なりに考えることが必要だそう。
そのポイントは非常にアグリーだし、とても良い方向だと思う。
そして具体的に思考力を高める例としてあったのが、「間違えた問題をなぜ間違えたのか考えてみる」、「解説に書かれている方法以外の解き方をあえて試してみる」。
あとは多分全体的に自分で考えさせるようなコミュニケーションを取って行くこともやっていこう。
・教科別の勉強時間の割合:算国理社=5:3:1:1
算数が半分なのは、一問あたりの配点が大きく、差が付きやすいからとのこと。
うちは最初に算数がつまづいたので、結果半分くらいはかかってしまっている感じ。
引き続きでも計算、反復は毎日やるようにやっていこう。
・分からなくなった時の要因
中受の勉強(学校もなのかな?)はスパイラル方式になっているとのことで、最初の方にやるものを積み上げながら少しずつ難易度があがっていくとのこと。
そのため、以前にやった単元で理解が甘かったり不得意な部分がある場合には、それがきっかけになって後でつまづくことがあるらしい。
このやり方、よく考えられてるなーと思う。そのことを息子にもシェアし、理解が甘い部分はその時に解決できるようにすることが大事。
・分からない場合の解説の見方
全部一気に解説を見てしまうのではなく、上から少しずつ見て、それをヒントに自分で考えていくと良いとのこと。ふむふむ、これはぱくろう。
・「ミスしないようにね」は何も伝わらない
以前「調子にのらない」と子どもに言っても何もつた合わらないというのをどこかで読んだことがある。確かにマイナスな感情が伝わるだけで、具体的に何をどうするかのメッセージが全くふくまれていないフレーズだな、と思ったことがある。
それと同じように「ミスしないようにね」は具体的なポイントがないので、それを言うのであれば、具体的なポイントを言う必要があるとのこと。
例えば計算ミスが多い場合は、「計算ミスに気をつけてね」ではなく、「暗算でミスをしちゃうケースが多いから、筆算でやるようにしようね」とかなんだろう。
他、低学年でやっておいた方がいいこととしていくつか書いてある。うちはもう4年生なので少し遅いかもしれないけど、やりたいと思ったこととして、
・生活の中で「数量感覚」を身につける
これはやっておけばよかったなーと少し後悔している。まぁでも今からでも全然遅くないので、日々の生活の中で数字が出て来るものについては会話として取り上げていきたいと思った。
例えば、「ホワイトデーのお返しを半分ママが出したらいくら?」とか、買い物の時に何割引きの価格はいくらになるかもそうだし、あとは今やってる自由研究の漂白剤の薄め方とか。
いくらでも数字はあふれてるんだよなー。これからも速さとか出て来るから、そういう数字は私自身が興味を持って会話をしていけるといいな。
最後に、5,6年生になった時の家庭学習時間も書いてある。
5年生は、
塾のある日は30分~1時間
ない日は2~3時間
土日は5時間
6年生は、更にそれに時間が追加されていて、特に土日がかなり増える。
ちなみに4年生は、
塾からは毎日1時間を目安に、と言われている。
それだと全然無理なくできていて、それより少しオーバーしている感じでもあるので、今のところは問題なくできていきそうだが、
5年生になると週末が結構勉強に費やすことになるんだなー、、、
まぁそこは状況を見ながら、本人のモチベーションを見ながら、やっていこうと思う。
SAPIXだから知っている頭がいいこが家でやっていることを読んで
昨日本屋さんに行ったとき、少しこれが気になったので買ってみた。
正直SAPIXは友人から「ガチの塾」と聞いていたので個人的に少し距離があったのだが、ぱらぱらみて見るとあまり「ガチガチ」な感じではなかったので買ってみた。
いくつか参考になったものがあるので、
備忘録的に残しておこうと思う。
・子どもに問題を教えた後にかける言葉は?
〇「わからなかったらまた聞いてね」
・教えたそばから忘れる子どもにイライラしたら
〇「子どもはすぐに忘れるものと思って接する
↑
どうも私は息子が分からなかった時、特に何度が説明した後や、
ものわかりが良くないなーと思った時にイライラしてしまう傾向がある。
自分でもそのイライラを出すことが息子にとって一ミリも良いことがないことは理解しているはずなのに、
そのイライラをそのまま出してしまうクセがなかなか治らない。
が、基本子どもは忘れるもの。私だって中々英単語が思い出せなくてなんでやねんということが未だにまだたくさんある。
あと多分、私が説明していても息子が「聞こえてないなー」という時が多々ある。まぁ興味や集中が切れてしまっている状態なんだと思う。
なのでそこを私もその状態になったら、中断するとか、集中力が切れていることについて話しをするとかなど、工夫をしないといかん。
子どもに分からない言葉の意味を聞かれたら
×すぐ教える
〇考えさせる、類推するように伝える
◇算数
3月からの塾で、今一番苦戦をしているのが算数。
一番大事なことは、「算数はおもしろいかもしれない」という思いを大切にしながらできない部分を解決する、ということらしい。
それができたら最高なんだけどね。「おもしろいかも」という部分は全くできてないわ私。
◆単位の勉強
料理を一緒にするのが良いとのこと。確かにそう。何か液体のかさを量る時には基本的に息子にお願いするようにしよう。
◆文章題
一番この本でなるほど!と思ったのは、文章題に必要な力は「筋道を立てる力」とのこと。確かに文章を読んだ後に、どのようにして解くかを説明してもらうことをしてるけど、これができたらスムーズにその問題は解けるようになる。
「筋道をつける」ことが大事というのを早速息子ともシェア。
◆算数を特にするには
ゲーム感覚でとく
ここまで書いてみて思ったけど、
私ほめるのがヘタクソだし、全然できてないことを反省。
息子はコツコツ努力タイプで、まぁ大変な量の宿題を
今までと打って変わってやるようになったのに、それをネガティブにならずに
コツコツコツコツ続けている。
それを見て本当に偉いなーと思うし、
不機嫌にならないのもなんて素直なのかしらとちょっと尊敬する。
(私だったらうるせーってなると思う)
たくさんすごいな、いいな、と思うところは言葉にすること。
あと、着実に見ていて力がついてるから、それもちゃんと伝えること。
私自身がもっともっと成長しないといけない。
高学歴親という病を読んで
今年小4になる子供を、先月から中学受験塾に入れた。
ここまでいろいろな葛藤もあったし、家族や息子と相談しながらその選択をしたものの、今でもこの選択が正しかったのか、まだ分かっていない。
そんな中、SNSで中学受験についてツイートしている方が、掲題の本をお勧めしていたので、読んでみた。
一番心に残ったのは、大事なのは子供に対する信頼と、十分な睡眠時間だということ。
まず子供に対する信頼というのは、子供がそれをできるだろう、と見守ってあげることだという。
確かに、いろいろ私はガミガミ言ってしまいがち。
宿題どのくらいやったの!?とか、全然やってないじゃない?!とか。
まー私が子供だったら小うるさいよね。
「自分ごと」にするために、彼が失敗することになっても、それを信頼して待つ、ということを心がけるようにしたい。
あと大きかったのは、睡眠時間。
9歳の子供に必要な標準睡眠時間は10時間!
睡眠の効能として、日々新しく入って来た情報を整理整頓する役割があるので、逆に睡眠を削ってしまうのは良くないとのことで、やっぱりその睡眠サイクルにすることに決めた。
また、書かれていた内容で印象に残ったのは、以下。
高学歴親が重たい理由は、「我が子に自分と同じ道をたどらせてあげないと不幸になる」と思い込んでいるから。差別と偏見が底にある。
確かに、自分が頑張ってその人生にとどりついたから、子供たちも頑張ることで幸せになってほしいという思いも分かる。でも、どの道を選んだら幸せになるかなんて、今正解はない。
なので、私は、子供が自分の手を離れた後も、「ひとりで、ゴキゲンに、生きていける力を付けてほしい」というのを子育てビジョンにしようと決めた。
そのために、勉強だって必要だし、好きな事に没頭するのも必要だし、
いつでも楽しく(息子はもともと小さいころからなぜか上機嫌)過ごせることを
いつも意識していこうと思う。
また、子どもは母親が大好き。全ては母親の笑顔を見るために、と言っても言い過ぎではない、そんななので、親に認められることで子供が得るパワーは想像より大きい、という部分も確かに、と思った。
「子供をありのまま受け止める」という行動が大事。
最後に、脳の発達にあったものを提供することも重要というのが参考になった。
たとえば5歳までは「からだの脳」。目標は原始人。
5歳から18歳までは「おりこうさんの脳」。目標は知識欲、好奇心。学校以外の勉強の知識欲も。
最後に10‐18歳までは「こころの脳」目標は「相手のこころを想像できること」。
今息子は9歳なので、おりこうさんとこころの脳を、大事に育ててあげたい。
おりこうさんと言っても塾の勉強とかでなく、知識を得る喜びや、おもしろいというものの追求の後押しをしてあげたいな。
あとはこころの想像。私が小さいころはここがさっぱりだったので、
伴走したいと思います。
読んでよかった本でした!
なぜ働いていると本が読めなくなるのか、を読んで
結構おもしろかった。
中の方の時代別の読書の変遷やその背景は、特別ふーんと読み流していたけど、
最初のまえがきと最後の著者の意見や提案は、
結構おもしろかった。
タイトルの「なぜ・・読めなくなるのか」の結論は、
働くというのはいつでも全身全霊を求められていて、
疲れることで本が読めなくなる、ということだった。
そのため、「半身」で働くことを提言している。
また、「全身全霊」で働くことは、ある意味ラクなことでもあると指摘している。
ここは私も妙に共感してしまった。
最近、私も同じようなことを思っているからだった。
具体的には、約2か月前に父が亡くなってから、少し忙しさを軽減させたくて、仕事を年末くらいまで減らしている。
その結果、昼間は子供が学校に行っている間、少し暇(何かをしなければいけない、という時間ではない時間)ができるようになった。
で、実際その時間を持つと、「はて、私はこの時間をどのように有効にすごすべきであろうか」と自分の中でもんもん考えながら、
本を読んだり、英語の練習をしたり、SNSを見たり、している。
で、そこで「何か新しいものを学んだ」感がないと、少し罪悪感が生まれてしまう。
多分これは、私が長い間かけて培ってきた、「全身全霊で仕事することが善」という、
価値観から外れていることになるからだと思う。
でも、この本で著者がいうように、
人生はもっとノイズがあっていい。
というか、ノイズがある人生は、もっと豊かなもになる気がする。
ちなみに、ノイズというワードは、本の中で筆者は、自分に必要でない、また、自分がコントロールできる範囲外の情報、という意味で使われていた。
それを読んで、私は長い間小説をあまり読まない理由が分かった気がした。
読まない理由は、小説は私にとってノイズで、必要な情報を効率的に取ることができないからだ、ということにこの本を読んで気が付いた。
多分、私はもっと半身で生きて良いんだと思う。
少しの罪悪感を感じながらになるかもしれない。
でも、ちょっとノイズを取り入れながら、もっと豊かになる人生を目指してもいいんじゃないか、という気がしてきた。
結構いい歳だしね。
ということを気づかせてくれた、という点で良かった本だった。
お母さんとお父さんのこと
父と母は私が子供のことから良くケンカをしていた。
ふたりとも結構短気で、なにかというとぶつかりがちな夫婦だったと思う。
でも、昔の夫婦らしく、父が働き、母は専業主婦で、
完全に母を養い、お金のことも一切父がやっていた形だった。
そしてある事件が起きた。
父と母が今までにないくらい大喧嘩をしたことがあった。
母の怒りが収まらず、一つ屋根の下で寝ることはもちろん、
食事も普段の生活も全て、母が父を避けていたことがあった。
何があったのと聞いても一切母は教えてくれず、
それで結局母に肺がんが見つかった。
数か月ふたりはひとこともしゃべらず、ものすごい険悪な雰囲気だったので
そりゃ病気にもなるわなという感じだった。
その時は私も母を、母の身体を、とても心配していたので、
ずっとケンカの理由を問いただしていた。
けど母は一切教えてくれず、肺がんの手術が終わってまでも、
かたくなに口を開こうとしなかった。
そんな状態を続けていたら身体にも悪いし、心配でたまらなくなって、
父に泣きながら理由を尋ねたことがある。
そしたら父が教えてくれた。
父が山に写真を撮りに行ったときに撮った、女の人との写真を母が見た、
ということだった。
で、「それで?」と聞いたら父は
「それだけ」と答えた。
で、「はい?」となった。
明らかに父の話しぶりからいくと、浮気のような関係ではなかったし、
父も母がそんなに怒り狂うのを目の当たりにして、
戸惑っていたようだった。
で、その時、
「うわー、お母さんはお父さんのこと、大好きなんだなー」と思った。
夫が女性と嬉しそうに写真におさまっているのを見て、
肺にがんができるまで怒り、意気消沈し、嫉妬する母。
すんげーな、と思った。
で、その時初めて、母の父への想いというか、大好き加減を目の当たりにした。
その後時がだいぶたって、2ヶ月弱前に父が亡くなった。
亡くなる前までも、あまり普段と変わらず、結構口喧嘩が多いふたりだった。
歳をとって以前よりはぶつかることは少なくなったかもしれないが、
父が抗がん剤の副作用が出ていたり、自分でいろいろできなくなっていたこともあり、
母には結構な物言いをしていたことも見かけた。
多分そこまで自分をぶつけられるのが母だけだったこともあるんじゃないかと思う。
で、その後の母のショックの受けっぷりは
想像していたものよりもずっと大きかった。
肺がん事件のことをもっと考えていれば、もう少し予想はできていたかもしれない。
けどそんな心の余裕もなかった私は、
ただただ悲しそうに、憔悴しきって、身体もひとまわりもふたまわりも小さくなった母を見て、
心配で今も右往左往している。
父が亡くなった夜、病院から安置所に移動する時に、
お母さんの足がもつれてしまってエレベーターの前で派手に転んだ。
そこからの母は、本当にショックを受けていた。
一度、泣きながら「お父さん、大好きだったのよ」と言ってぶぁーと泣かれたこともある。
また、「お父さんがいないのは本当にさみしい」とか、
「お父さんのところに行きたい」とか、
ネガティブ発言のオンパレード。
こんな時私は一体何ができるんだろう。
父が亡くなって、母も立て続けにいなくなってしまったら、私が生きていけなくなる。
寄り添う、話しを聞く、以外に何ができるんだろう。
どうしたらお母さん、元気になるんだろう。